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連載 ‼ Marvin Lover. VOL.3:マーヴィン・ゲイの『トーン(声)を自由自在に操る才能』

連載 ‼ Marvin Lover. VOL.3:マーヴィン・ゲイの『トーン(声)を自由自在に操る才能』

あるインタビューの中で、「プライベートではマーヴィン・ゲイを好んで聴いている。ビリー・ホリディがそうだったように、マーヴィン・ゲイには楽器のように声をコントロールできる才能がある・・・」と述べたのは、偉大なるジャズ・ジャイアンツ「マイルス・デイヴィス」である。

FRANCE – CIRCA 1964: Miles Davis in Paris, France in 1964 – Miles Davis, Jazzman, Pleyel Hall. (Photo by Herve GLOAGUEN/Gamma-Rapho via Getty Images)

たぐい稀なる感性と音楽の才能を神から与えられたマーヴィンは、声のトーンを自由自在に操る能力に長けている。

その時々で変化するマーヴィンの魂は、 そのままメロディとなって表現されていく。だからリスナーは彼が織り成す歌の世界に、いとも簡単に入り込むことができるのだ・・・。

そんな彼が亡くなる約一年前、1983年のNBAオールスター戦で独唱した『The Star-Spangled Banner/星条旗(アメリカ国歌)』を聞けば、思わず心を奪われてしまう。

マーヴィンの歌声はソフトで慈愛に満ちており、当時の選手や大勢の観客は深遠な響きを持つ彼の声に引き込まれていっただろう。

奴隷としてこの地に連れて来られ、アメリカという国を呪ったであろう「アフリカン・アメリカン」の筆舌しがたい想いを胸に秘め、マーヴィンは栄光のスポット・ライトを浴びながら、心の底から涌き出てくる声で国歌を歌いあげたのだ ‼

この時の歌い方について彼はメッセージを残している・・・。

「あれはオペラ・タイプの声にふさわしい曲だったから歌うのは難しかった。ソウル・シンガーとしては気持ち良く歌えるものではなく、また、ほかの黒人にとってもそうだと思う。アメリカは多民族国家なのだから、それぞれの人種がもっとも心地良く思う歌い方で歌えばいいと思う・・・僕は白人風には歌えない・・・自分の心を揺るがすように歌わなければならない。僕はソウル・シンガーだから、僕は僕のやり方で歌うべきで白人のやり方で歌うわけにはいかない」と・・・

特に印象的なのは、マーヴィンは魂を奮い立たせながら両手の握り拳を力強く肩まで上げ、「Free/自由」という言葉を張り上げる姿に、すべての思いが込められている場面である ‼

by JELLYE ISHIDA.



・マーヴィンの死から二十年後、愛娘である「Nona Gaye」とのデュオは至高の歓びに満ち溢れている❣


[ 連載 ‼ Marvin Lover. ]

 VOL.1:Inner City Blues/インナーシティ・ブルース(都市のブルース)

 VOL.2:お蔵入りしたマーヴィン・ゲイの名曲『You’re The Man』

 VOL.3:マーヴィン・ゲイの『トーン(声)を自由自在に操る才能』

 VOL.4:ビルボード誌の集計においてマーヴィン・ゲイ最大のヒット曲 “ I Heard It Through the Grapevine ”(邦題:悲しいうわさ)/ Single Cover,1968

 VOL.5:Live At Oakland Coliseum, CA 1974

 VOL.6:単独で聴いては魅力が伝わらない ‼ 華麗なる曲『Mercy Mercy Me (The Ecology)』


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