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【特集】Lady Blackbird:VOL. 3 / その勇敢さと実力を証明すべく、天才『サム・クック』とのデュエットバージョン “ Lost and Lookin’ ” を公開 ‼

【特集】Lady Blackbird:VOL. 3 / その勇敢さと実力を証明すべく、天才『サム・クック』とのデュエットバージョン “ Lost and Lookin’ ” を公開 ‼


 


【 はじめに 】

今世紀、世界的なジャズシーンに火をつける “ 大胆不敵なディーヴァ ”『Lady Blackbird (レディ・ブラックバード)』。


 
彼女の名を知らしめた傑作デビューアルバム『Black Acid Soul (ブラック・アシッド・ソウル)』のオリジナル盤 (2021年9月3日) / 国内輸入盤 (2022年01月28日)リリースに引き続き、先月10月28日には『Black Acid Soul (ブラック・アシッド・ソウル)』のデラックス盤(デラックス・エディション)がリリースされた。

The Guardianが5つ星、The Sunday Timesが4つ星と、UKメディアからも高い評価を集めたデビューアルバム『Black Acid Soul』に、一聴したら心奪われるような新曲「Feel It Comin’」に、Emma-Jean Thackray (エマ・ジーン・サックレイ)、 Colleen ‘Cosmo’ Murphy (コリーン・コスモ・マーフィー)や Greg Foat (グレッグ・フォート)など、エレクトロ、ジャズ、ファンク・シーンのプロデューサー/DJらが手掛けたアルバム収録曲のリミックス・ヴァージョンなど11曲を収録したボーナス・トラックが加えられている。
 

● Lady Blackbird – Black Acid Soul:Deluxe Edition (2022)

・オリジナル盤発売日:2022年10月28日
・レーベル:BMG/ADA
・原産国:アメリカ合衆国
・フォーマット:LP、CD、ダウンロード

[ Track list ]
・ディスク:1
1.Blackbird
2.It’s Not That Easy
3.Fix It
4.Ruler of my Heart
5.Nobody’s Sweetheart
6.Collage
7.Five Feet Tall
8.Lost and Looking
9.It’ll Never Happen Again
10.Beware the Stranger
11.Black Acid Soul

・ディスク:2
1.Did Somebody Make a Fool Out of You
2.I Am What I Am
3.Woman (Single Version)
4.Feel It Comin (Single Version)
5.Baby I Just Don’t
6.Beware the Stranger (Chris Seefried Remix) (Edit)
7.Collage (Greg Foat Remix)
8.Blackbird (Emma-Jean Thackray Remix)
9.Lost and Looking (Colleen ‘Cosmo’ Murphy Cosmodelica Remix)
10.Collage (Bruise Remix) (Edit)
11.Beware the Stranger (Gil Cang Tuff Scout Remix)


 
また、来年2023年1月26日~27日において、レディ・ブラックバードの初来日公演『Japan Tour 2023』が決定 ‼
 

● Lady Blackbird『Japan Tour 2023』

[ 2023年1月26日(木)ビルボードライブ大阪 ]
Open 17:00 Start 18:00、Open 20:00 Start 21:00
サービスエリア¥7,900-
カジュアルエリア¥7,900(1ドリンク付)

[ 2023年1月27日(金)渋谷WWW ]
OPEN 18:00/START 19:00
スタンディング前売¥7,500(税込・1ドリンク代別)

チケットのお申し込みはコチラ

 
ジャイルス・ピーターソンが “ ジャズ界のグレイス・ジョーンズ ” と評し、アデルやエイミー・ワインハウス、セレステらの系譜に連なるアーティストとして注目を集める、多彩でリッチな現代JAZZシーンの声と魅力に触れることができる絶好の機会に、興奮が抑えられずにいるのは私だけではないだろう。
 


 
【 天才『サム・クック』とのデュエットバージョン “ Lost and Lookin’ ” 】
 
これまでに、大胆不敵なディーヴァ『Lady Blackbird (以下から「レディB」と称する)』のデビューアルバム『Black Acid Soul (2021) 』に収録されている11曲のトラックの中から厳選して紹介した、【特集】Lady Blackbird:VOL. 1での “ Lady Blackbird – Fix It [ Debut Album:Black Acid Soul (2021) ] ” と【特集】Lady Blackbird:VOL. 2で紹介した “ Lady Blackbird – Debut Album:Black Acid Soul (2021) / All Original Songs ” に引き続き、今回で第三弾目となる【特集】Lady Blackbird:VOL. 3では、天才『Sam Cooke (サム・クック)』の “ Lost and Lookin’ ” を、レディBの勇気にあやかり、恐れることなくミックスした『G2J オリジナル』となる “ Lost and Lookin’ – Sam Cooke & Lady Blackbird [ Duet Version ] ” を通じ、レディBの勇敢さと実力を証明すべく公開するに至った次第である ‼


 


 
【 Lady Blackbirdの驚くべき声と歌唱、その軌跡に伺える真髄 】
 
2020年5月27日、ロサンゼルスを拠点とする彼女が勇敢にもリリースしたデビューシングルは、「ジャズ」の枠に収まらない表現力で世界を魅了した偉大な黒人女性シンガー『Nina Simone (ニーナ・シモン)』の名曲 “ Blackbird ” のカヴァーであった・・・。

Lady Blackbird – デビューシングル“ Blackbird ”(2020年5月27日)

ニーナ・シモンの名曲 “ Blackbird ” は、1963年のシングル『A面:Blackbird / B面:Little Liza Jane』の初リリース以降、1966年にはアルバム『Nina Simone With Strings』にも収録された。当時の強力な公民権国歌の感動的な解釈であるこのトラックには、再びレディBによって情熱、熱意、希望が吹き込まれ、世界のジャズシーンに新たな声が届いたことを示している ‼

一般的にカヴァーバージョンはオリジナル曲の品質のおかげでより成功するようで、それはそれほど簡単ではない。それらのオリジナルの曲でさえ、その素晴らしいものに運命づけられた歌手の存在を除外できないからだ。

しかし、レディBの信じられないほどの歌声は、「ビリー・ホリデイ」を彷彿とさせる深みのあるジャズ・ヴォーカルを聴かせてくれた。それは明らかに彼女の素晴らしい歌唱表現によって、より魅惑的な作品として再現されていた。


 
その後、セカンドシングルとして2020年7月24日にリリースされた “ Beware The Stranger ” は、ストリングスと合唱団を使用した最も精巧な楽曲として、1970年代初頭にニューヨーク州ハーレムで結成されたアメリカのR&Bとゴスペルのボーカルグループ「Voices Of East Harlem (ヴォイシズ・オブ・イースト・ハーレム)」の3枚目のセルフタイトル作である。

Lady Blackbird – セカンドシングル“ Beware The Stranger ”(2020年7月24日)

プロデューサーにCurtom (カートム) の「Curtis Mayfield (カーティス・メイフィールド)」、「Leroy Hutson (リロイ・ハトソン)」、「Rich Tufo (リッチ・テュホ)」を迎え、初めてゴスペルから離れた音楽に挑戦している『The Voices Of East Harlem (1973)』に収録されたファンク・ソウル アンセム “ Wanted, Dead or Alive ” を、より魅惑的でクラシックなレアグルーヴバージョンとして、レディBのパワフルでジャズの影響を受けた再想像にインスピレーションを与えた一曲である。


 
続くサードシングルとして2020年10月16日にリリースされた “ Collage ” は、レディBがよりサイケデリックなソウルサウンドに移行するのを見てとれるが、それでもジャズとしての楽曲を維持している。

Lady Blackbird – サードシングル“ Collage ”(2020年10月16日)

原曲は1969年に米国のロックバンド「The James Gang」によって録音され、翌年に女性ボーカルグループ「The Three Degrees」によってファンク/ソウル (フィリー・ソウル)へと発展した。

彼女のこの雰囲気あるテイクは、「The James Gang」の “ Collage ” (デビューアルバム『Yer’ Album (1969)』からの作品)を、「John Coltrane (ジョン・コルトレーン)」とサイケデリック・バンドの「Love(ラブ)」からの影響を引き出すモーダルナンバーにエディットした。


 
この曲がリリースされた後、「Gilles Peterson (ジャイルス・ピーターソン)」によって、レディBは『ジャズ界のグレイス・ジョーンズ』と称賛され、世界のジャズシーンで最もエキサイティングな新しいアーティスト(ニューカマー)の1人と見なされるようになった・・・。

そして3枚のシングルリリースを経てついに、2021年9月3日に待望のデビューアルバム『Black Acid Soul (ブラック・アシッド・ソウル)』がリリース(国内での輸入盤 CD/LP発売は2022年01月28日)されたのである ‼
 

● Lady Blackbird – Debut Album:Black Acid Soul (2021) 】

・発売日:オリジナル盤 (2021年9月3日) / 国内輸入盤CD・LP (2022年01月28日)
・録音:2020/2021
・スタジオ:サンセットサウンド(スタジオB),LA
・レーベル:Fondation Music / BMG
・フォーマット:LP、CD、ダウンロード
・ジャンル:ジャズ
・スタイル:コンテンポラリージャズボーカル/レトロソウル
・タイトル(番号):11
・長さ:41:53

[ Musicians ]
・ボーカル:Lady Blackbird (レディ・ブラックバード)
・ギター:Chris Seefried (クリス・シーフリード)
・ピアノ、メロトロン、シンセサイザー:Deron Johnson (デロン・ジョンソン)
・ダブルベース:Jon Flaugher (ジョン・フローター)
・ドラム:Jimmy Paxson (ジミー・パクソン)
・トランペット:Troy Andrews (トロイ・アンドリュース)

[ Track list ]
01. Blackbird – Nina Simone (1963)
02. It’s Not That Easy – Reuben Bell with The Casanovas (1967)
03. Fix It – Bill Evans/原曲:Peace Piece (1958)/Chris Seefried, Marley Munroe (オリジナル歌詞とボーカル)
04. Ruler Of My Heart – Irma Thomas (1963)
05. Nobody’s Sweetheart – Chris Seefried (オリジナル)
06. Collage – James Gang (1969)
07. Five Feet Tall – Chris Seefried, Marley Munroe (オリジナル)
08. Lost And Looking – Sam Cooke (1963)
09. It’ll Never Happen Again – Tim Hardin (1966)
10. Beware the Stranger – Voices of East Harlem/原曲:Wanted, Dead or Alive (1973)
11. Black Acid Soul – Chris Seefried, Deron Johnson, Jimmy Paxson, Jon Flaugher*, Marley Munroe (オリジナル)


 


 
【 このアルバムの注目すべきハイライトとは 】
 

以前にも述べたように、私自身、新しいアーティストのアルバムを聴いて、その素晴らしさに圧倒されることはめったにない ‼

しかし、まるで50年代のアナログ機器で録音されたかのような「ジャズ・ヴォーカルの伝統的な響き」を生かしているレディBは、彼女独自のスタイルを備え、崇高な声(ほとんど彼女の年を超えて)を持ち、『それは私(あなた)に鳥肌を与え、私(あなた)が持っている会話を止め、私(あなた)に耳を傾けさせ、私(あなた)に息をのませた(のませるだろう)』・・・。

デビューアルバム『Black Acid Soul (2021) 』に収録されている11曲のトラックには、オープニングを飾るデビューシングル “ Blackbird ” を含む、純然たる7曲のカヴァーバージョンに加え、ジャズ・ピアニスト「Bill Evans(ビル・エヴァンス)」が1958年に2ndアルバム『Everybody Digs Bill Evans (1959)』のために録音した、リハーサルなしのモーダル・ジャズ・コンポジション “ Peace Piece ” (インストルメンタル曲) に、 “ Fix It ” と呼ばれるトーン詩に変換された歌詞とボーカルを追加したカヴァー曲の計8曲が収録されている。

ただし “ Fix It ” に関して言えば、その新しいメロディーと言葉がコントラファクトのように “ Peace Piece ” の上に置かれることにより、聴き手の気分を一段とシリアスにさせ、もはや『オリジナルと言ってもよい楽曲として世界的に広く認知されて行く』ことであろう・・・。

事実、ビル・エヴァンスの相続人がレディBとプロデューサーのクリス・シーフリードに共作権を与え、作曲に歌詞とボーカルを追加した楽曲である ‼

00:00 ▶ Opening:Black Acid Soul [Instrumental]
01:30: 1. Lady Blackbird – Fix It [ 原曲:Bill Evans – Peace Piece (1958) ]

 
特にデビューアルバム『Black Acid Soul (2021) 』に収録されているオリジナル曲においては、彼女自身が「クラシックで時代を超越した作品を、できる限り最高の方法で作りたかった」と語った通り、名目上はジャズのバックグラウンドを持つこのアルバムが、ジャンルに属するのではなく、『さまざまなジャンルがどこで出会い、彼女の歌によって如何に集約され、彼女の声を本当の意味で披露するために設計された作品であるか』を物語っている ‼

00:00 ▶ Opening:Black Acid Soul
01:00: 1. Nobody’s Sweetheart
04:38: 2. Five Feet Tall
07:55: 3. Black Acid Soul [ Instrumental ]

 
しかし、このアルバムの注目すべきハイライトは、何と言っても『Sam Cooke (サム・クック) 』が円熟期の亡くなる前年((1963年8月)にリリースした、RCAでの通算8作目にして、クックの10枚目のスタジオアルバムにあたる『Night Beat (ナイト・ビート)』の収録曲 “ Lost and Lookin’ ” のカヴァーである ‼


 

● ソウルの創造神誕生を告げる作品『Night Beat』

今日まで、不世出のソウル・シンガー『Sam Cooke (サム・クック)』と同等の才能をそうそう探し出せる訳もなく、私はいまだもって欠乏症のままだ。

サムと言えば、「Harlem Square Club (1963)」のライブ盤でみせた、あの破壊力や高揚感…即ちサザン=ディープ・ソウルの先駆者としてのサムを愛する向きは多いだろう。

しかし私は人とは少し違い、サム円熟期の亡くなる前年(1963年8月)にリリースした、RCAでの通算8作目にして、クックの10枚目のスタジオアルバムにあたる『Night Beat (ナイト・ビート)』に心を惹かれた・・・。

1963年2月、本作はハリウッドのRCAビクター・スタジオで行われた深夜のレコーディング・セッションにおいて3日間で収録された。

演奏は、ルネ・ホールを中心に、ハル・ブレインのドラム、クリフ・ホワイトのベース、バーニー・ケッセルのギター、さらには弱冠16才だったビリー・プレストンのオルガンなど、いわゆるレッキング・クルーの陣容が揃っている。

最初のレコーディング・セッションは2月22日に行われ、「I Lost Everything」、「Get Yourself Another Fool」、「Trouble Blues」を収録。

翌日には「Nobody Know the Trouble I’ve Seen」、「Mean Old World」、「Little Red Rooster」、「Laughin’ and Clownin’」をレコーディングした。

最後のレコーディング・セッションは2月25日に行われ、「Lost and Lookin’」、「Please Don’t Drive Me Away」、「You Gotta Move」、「Fool’s Paradise」、「Shake Rattle and Roll」をテープに収録した。

スモール・グループをバックに、チャールズ・ブラウンの作品を始め、Tボーン・ウォーカー、ビッグ・ジョー・ターナー、ハウリン・ウルフらの曲に加えて、新旧のゴスペルソングなど、彼のフェイヴァリット・ソングや自身のオリジナル曲を歌ったブルージーな作品は、まさしくソウルの創造神誕生を告げる作品のひとつであり、全ソウルファンが一生のうち一度は訪れる聖地のような一枚である・・・。

そして、この静かで優雅なアルバム『Night Beat (ナイト・ビート)』ほど、彼の最も美しく魅惑的な声を聴けるアルバムはなかったと言えるだろう

 
ニーナ・シモンに挑戦する勇気を持っていたレディBにとって、天才クックの楽曲を引き受けることは、彼女の自信と能力を証明するための、もう一つの指標であろう ‼

ここで彼女は、クックと同じ素朴で脈打つ弓のような低音(パーカッションなし)伴奏をあえて求め、ミニマルゆえに実力がものを言うことを十分理解した上で、驚くべき声と歌唱力を披露している・・・。

また「Deron Johnson (デロン・ジョンソン)」のピアノ演奏は、深夜のバーで恋人を連想させる真夜中のムードを存分に漂わせ、曲の後半約2分ものソロ演奏が、叙事詩であるところの “ Lost and Lookin’ ” を見事に照らしている ‼

by JELLYE ISHIDA.
 


●【特集】Lady Blackbird

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