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私が最も愛したMarvin Gaye(マーヴィン・ゲイ)の曲『Distant Lover.[Live Version;Pt.1∼Pt.5]』:Part.2

私が最も愛したMarvin Gaye(マーヴィン・ゲイ)の曲『Distant Lover.[Live Version;Pt.1∼Pt.5]』:Part.2

前回投稿(2017年3月16日)した“私が最も愛したMarvin Gaye(マーヴィン・ゲイ)の曲『Distant Lover』:Part.1”から約2年、今も多くのフォロワーを魅了するこの曲は色褪せることなく愛され続けている。

1973年にリリースされた『Let’s Get It On』に収録されている“Distant Lover”は、翌年(1974年)のライヴ盤『Marvin Gaye Live !』を牽引するヒットナンバーとして世に知らしめた最高傑作である ‼


70年代の Marvin Gaye(マーヴィン・ゲイ)を語る上において、1971年にリリースされた『What’s Going On』と並ぶマーヴィンの代表アルバムが『Let’s Get It On』であるが、マーヴィン・ゲイが社会的なメッセージを歌ったのは、後にも先にも実は『What’s Going On』だけであり、その後は基本的に官能的なソウル・ミュージックを通じ性愛を歌い続けた。その第一弾とも言えるのがこのアルバム『Let’s Get It On』で、全編愛の歌、あるいはセックスの歌である。


70年代を代表する『What’s Going On』の成功による精神的な好調さもさることながら、当時はのちに妻となるジャンと出会った頃で、そのポジティヴな悦びが満ちている。そのせいで、のちの『I Want You(1976年)』に代表されるようなダークな官能路線というよりも、とても明るくカラッとして、ジャケットのマーヴィンも実に明るくて力強い。

全体としてもオーソドックスなR&B調で、70年代の新しいマーヴィンの音楽性の中に60年代の持ち味が戻ったかのようで、ソウルファンにも非常に好まれている作品であり、静かな唱法からワイルドなシャウトまで両端を自由に行き来する(ヴォーカル多重録音)『Let’s Get It On』は特別であると同時に、これほど官能的なソウル・ミュージックは他には無い。

中でも『Let’s Get It On』に収録されている“Distant Lover”は、私が最も愛した曲(現在においても…)であり、数知れぬ官能的なソウル・ミュージックの中においてこの曲は、「アルファ(基底)」であり「オメガ(絶頂)」を私の心に刻み込んだ曲である ‼

楽曲の内容は自分の元を去った恋人に向かって、「お願いだ・・・戻って来ておくれ!」と懇願する歌だが、マーヴィンはそれを見事に声と身体で表現した。顔に苦渋の色をにじませ、ひざまづきながら「プリ~ズ!」と切羽詰った声で遠くに行ってしまった恋人に呼びかけるのである・・・。

確かに、1973年のライヴ盤『Marvin Gaye Live !』に収録されている“Distant Lover”は最高の出来であり、歌のラストで泣き付くように発する「プリ~~ズ」は圧巻で、こんなに苦しみと哀願に満ちた「please」を私は今まで聞いたことがなかった。

ライブ・ヴァージョンがあまりに有名なため、あまり見向きされない“Distant Lover”のスタジオ・ヴァージョンは、マーヴィンの丁寧な歌がしみいるバラード曲の原型・雛形として聞くことにより、その後ライヴで歌いあげられる見事な声と身体での表現やパフォーマンスを聞けば、彼のたぐい稀なる感性と音楽の才能、そして声のトーンを自由自在に操る彼の歌唱能力に圧倒されるだろう。


【 Distant Lover. [Studio Version;Part.1 ~ Part.3] 】

Part.1; Distant Lover. [ Album Version ] / Let’s Get It On (Deluxe Edition 2001)
Part.2; Distant Lover. [ Alternate Mix ] / Let’s Get It On (Deluxe Edition 2001)
Part.3; Distant Lover. [ Head Title ] / Whats Going On (Deluxe Edition 2001)





まさに、その時々で変化するマーヴィンの魂は、そのままメロディとなって表現されていくのである ‼

そこにこそ、マーヴィン・ゲイというアーティストが紡ぎ出す音楽、その根幹を成すもの、彼の熱き魂と生きざまが赤裸々と滲み出ており、それを彼の才能が十全にサポートしているのである・・・。

つまり、「自己において悟られたもの」が、「音楽という文化において表現」され、「現実の世界において体現」されている ‼

喜びや苦しみの中から生み出された彼の音楽は、人間の弱さや脆さ、歓喜など様々な感情を正確に伝えることができ、いつの時代であろうと人々の心を捉えて止まないはずだ。

本日は、 Part.1 に続き“私が最も愛した Marvin Gaye(マーヴィン・ゲイ)の曲『Distant Lover. [Live Version;Part.1 ~ Part.5]』”と題して、貴重な5つのライブ・ヴァージョンをお届けしたい・・・❣

by JELLYE ISHIDA.


【 Distant Lover. [Live Version;Part.1 ~ Part.5] 】

Part.1;[ Anthology (1989) ] / [ Marvin Gaye Live ! (1974) ]
Part.2;[ Marvin Gaye Live ! (1974) ] / [ Marvin Gaye Live At Oakland Coliseum, CA (1974) ]
Part.3;[ Greatest Hits Live in ’76 ] / [ Marvin Gaye Live in Amsterdam, Holland ( 1976) ]
Part.4;[ Marvin Gaye Live At The London Palladium (1977) ]
Part.5;[ Marvin Gaye Live in Montreux (1980) ]






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