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【特集:Part.2】Mr. Soul “Sam Cooke” 新たに公開された「公式ウェブサイト」-「今」、その魂 (ソウル = 歌) の叫びが木霊 (コダマ = 声) する ‼

【特集:Part.2】Mr. Soul “Sam Cooke” 新たに公開された「公式ウェブサイト」-「今」、その魂 (ソウル = 歌) の叫びが木霊 (コダマ = 声) する ‼

 


 
【 はじめに 】
 
Mr. Soul “Sam Cooke” の【 特集:Part.1 】に引き続き、Part.2の編集最中、それに先立って緊急速報:Black Lives Matter (黒人の命をないがしろにするな) ‼ 】 を当サイトの別カテゴリー「G2J CREW BLOG.」にて寄稿させて頂いた。

何故なら、Black Lives Matter 抗議運動を報じるニュース映像のバックで流れていた音楽が、1964年12月11日、ロサンゼルスで不慮の死を遂げた『サム・クック』の遺作 “A Change Is Gonna Come” であったと言う理由からだけではない ‼

サム・クックが33歳(1964年12月11日)という若さで謎の銃弾に倒れてから56年もの歳月を経る現在に至るも、生前の彼の願いとは裏腹にいまだ世界は波乱に満ちていることに端を発している。

生前クックが公民権運動をはじめとする当時の社会情勢や状況に対して、「A Change Is Gonna Come/いつかきっと変化は訪れる」という言葉に託されたクックの歌には、「人種差別のない社会が来ることを願う気持ち」が込められていた・・・。
 



 
それが同胞達から、後になって絶大な支持を得ていくことになるのである ‼

だがそのことを実感する機会は、残念ながらクックに訪れることがなかった。

主に1950年代から1960年代にかけて、アメリカの黒人(アフリカ系アメリカ人)が、公民権の適用と人種差別の解消を求めて行った当時の「公民権運動」と、現在の「Black Lives Matter抗議運動」の勃発を安易に同一視することは余りに稚拙とは言え、そこに横たわる本質的な問題には共通点が見て取れる。

ただし、その問題の結果を変えたければ、「その原因を変える」ための行動へと導く意志と勇気、そしてこれまでの「正しい歴史(文化・社会的背景と文脈)」を含め、それらと向き合う『動機づけ』が必要であろう。

クック生前の当時は、現在よりもはるかに社会情勢や状況の変化に関し、誰もが敏感にならざるを得ない時代だったが、サム・クックは黒人音楽の新しい時代を切り開く象徴的存在だけに留まらず、人種差別についても明確な意志をもつ黒人公民権運動家の重要な人物のひとりとしても先駆者として歩み続けた。

そうした意味において、サム・クックの「声(スピリット)」と「歌(ソウル)」に親しみを持つことは、上記に掲げた諸々の問題を考える良き機会となると同時に、それらと向き合う充分な『動機づけ』になり得るだろう。

Mr. Soul “Sam Cooke”
「今」、その魂 (ソウル = 歌) の叫びが木霊 (コダマ = 声) する…
 


 
【 新たに公開された ‼「サム・クックの公式ウェブサイト」
 


 
前回、6月21日の投稿記事【特集:Part.1】では、― 60余年の時を超え、史上初めて「正規」リイシューが実現 ‼ 来年2021年のサム・クック生誕90周年を早々と記念する限定盤 Box Set『The Complete Keen Years 1957-1960』 ― について紹介させて頂いた。
 



 
今回の【特集:Part.2】では、昨年(2019年)の11月、「ABKCO Music & Records, Inc」のサイトにて告知された、来年(2021年)の1月22日の「サム・クック生誕90周年の1年にわたる祝賀」を演出するべく、初期ソロ・アルバムを収録した限定盤ボックスセット『Sam Cooke:The Complete Keen Years 1957-1960 [Box Set/5CD]』の発売に続き、今年(2020年)の1月に開設された『サム・クックの公式ウェブサイト』について触れてみたい。
 



 
公式ウェブサイトのDescription(説明文)には、“ Official Sam Cooke.com is the official website of the Sam Cooke estate. Discover more about the man who invented soul here. ”「Official Sam Cooke.comは、サム・クック・エステートの公式ウェブサイトです。より一層、このサイトにてソウルを発明した彼について発見して下さい。」と記載してある。

また興味深い事として、公式ウェブサイトのCONTACT(サイトコンテナエリア)には、「ABKCO Music & Records, Inc( 以下” ABKCO “)」と共に「ALG Brands( 以下”ALG”)」が連名で記載されていることだ ‼
 



 
つまり、今回の『Sam Cooke official website (公式ウェブサイト)』をご覧頂ければ確認できるように、“ For music licensing, please contact ABKCO Music & Records ”「音楽のライセンスについては、ABKCO」が管理し、“ For branding and name/likeness inquiries, please contact ALG ”「ブランディングについては、ALG」が専属エージェンシーとして、多くの人にサム・クックの認識と価値を高めるための企画立案・情報発信を推進して行くことを示している ‼

これまで、サム・クックの「音楽(楽曲)のライセンス」に関して言えば、80年代後半頃から「デジタル化(CD・その他のデジタルデータ)」され始めたのだが、オリジナル・アルバムの再発は非常に遅く、2010年前後において進んだ。その多くは米国に比べて、著作隣接権の保護期間が短い英欧のリイシュー専門レーベルからのリリースだった。

元々サム・クックの楽曲は、権利のはっきりしている「Specialty 時代」はともかく、それ以降の作品については、「ABKCO」と「RCA (現在は Sony)」 が主導権を争っていて、時折両者が妥協した内容のアルバムを発売するだけであった。また、当時の「Keen 時代」の楽曲は、英欧では以前から一部 CD 化されていたが、著作隣接権の保護期間が終了したことでさらに拍車がかかり、かなり入手しやすくなっていった・・・。
 



 
つまり、ここ10数年において所有権を有するレーベル各社それぞれが、デジタル化した「正規リイシュー盤(限定盤CDボックスセット)」等を発売し、サム・クックが録音したアルバム楽曲の大半がようやく入手できるようになったのである。(※ 今後のPartにて詳細を紹介させて頂く。

結果的に「各ライセンスの問題」が、現代のデジタル化においては他のアーティストに比べて遅れを取ったこと、そして、サム・クックの偉大なる作品や彼の活動記録等の貴重な遺産を広く認識させることを困難にしてきたことは否めないであろう・・・‼

そして、今回の本題である “ 新たに公開された「公式ウェブサイト」” と、その “ 新たなプロジェクト関係者である「ALG」” についての情報をつぶさに分析しつつ、今後の動向を期待しながら詳細を追って観たい。
 


 
【 知的財産権(IP)管理分野のリーダー ‼「ALG Brands」
 

 
一般的に知的財産活用の重要な活用形態として、特許権、実用新案権、意匠権、商標権の『知財四権(産業財産権)』と技術ノウハウなどの知的財産の使用許諾を行う対価として、知的財産の所有者(ライセンサー)が使用者(ライセンシー)からロイヤルティの支払を受けるというライセンス活動が挙げられる。

当然ながら「知的財産」及び「知的財産権(知的所有権:IP)」には上記以外にも、文芸、美術及び学術の著作物、 実演家の実演、レコード及び放送など、産業分野以外の知的活動から生ずるすべてに関する権利も含まれる。特に音楽産業では、『著作権』に含まれる「著作隣接権」や「著作者人格権」、その他の権利として「肖像権(人格権)」や「パブリシティ権(財産権)」など、多くの『知的財産権(知的所有権:IP)』が日本や世界において法律(国内法)および条約で定められ、認められている。

近年、ライセンス活動自体は以前よりも活発化しつつあり、契約上もロイヤルティ支払に関する規定を盛り込み、ロイヤルティ収入を得るケースが増えているものの、ランニングロイヤルティの支払が適正か否かをチェックする監査(ロイヤルティ監査)が行われておらず、ライセンサーが適正なロイヤルティを回収できていない場合がある。

こうした背景を受けて、知的財産のライセンス活動等に資するよう、ロイヤルティ調査・管理・監査と言った『知的財産権(知的所有権:IP)管理を専門とする企業』が世界中に存在する・・・。

今回、そうした「サム・クックの知的財産権(IP)管理」及び「専属(独占)ブランディング・エージェント」として、ライセンスの監視及び公式のソーシャル・メディア等による代行サービスを提供するのが『ALG Brands』である ‼
 


 
【 ALG Brandsに関する「米国メディアの報道」
 
今年2020年1月22日、新たに『Sam Cooke official website (公式ウェブサイト)』が公開された翌月の2月4日、次のようなニュースが米国の各メディアで報道された・・・。
 

[ NEWS:1 ]

From Billboard website “RECORD LABELS”, Feb 06, 2020
Billboardのウェブサイト「RECORD LABELS」:2020年2月6日付け記事より

 
The Deals:Sam Cooke Estate Enters Branding Partnership with ALG Brands.
取引:サム・クック・エステートがALGブランドとのブランディングパートナーシップを締結。

[ 記事の内容 ]

知的財産権マネージャーのALG Brands(ALGブランド)は、シンガーソングライターの「Sam Cooke(サム・クック)」の専属ブランディング・エージェントになったことを、ALGのCEO「Ashley Austin(アシュリー・オースティン)」は火曜日(2月4日)に発表した。 ALGは、クックの人格権のライセンスの監督と彼の公式のデジタルおよびソーシャルメディア資産の管理を含む、不動産の包括的な表現サービスを提供する。

契約の一環としてALGは、クックの孫娘である「Nicole Cooke-Johnson(ニコール・クック・ジョンソン)」氏と協力・連携して、公式ウェブサイトやソーシャルメディアプロファイルの確立、2021年のサム・クック90歳の誕生日に向けた「ブランドメディアプロジェクト」の立ち上げなど、世代を超えたブランディングとコンテンツイニシアチブを通じてクックの遺産を拡大する・・・。
 


 
[ NEWS:2 ]

From PR Newswire website “Cision”, Feb 04, 2020
PR Newswireのウェブサイト「Cision」:2020年2月4日付け記事より

 
Sam Cooke Estate Signs with ALG Brands.
Brand Management Firm to Curate Innovative Media Content and Brand Collaboration Opportunities for the Man Who Invented Soul.

サム・クック・エステート、ALGブランドと契約。
ブランドマネジメント会社が、ソウルを発明した男性に革新的なメディアコンテンツとブランドコラボレーションの機会を提供。

[ 記事の内容 ]

2020年2月4日付けのニューヨークPR Newswireの報道によると、「ALG Brands (ALG)」はサム・クック・エステートの独占ブランディングエージェントとして、正式にサム・クックの人格権のライセンスの監督や、彼の公式デジタルおよびソーシャル・メディア資産の管理を含む包括的な表現サービスを提供すると、ALG CEOの「アシュリー・オースティン」によって発表された。

ALGは、ライセンスを所有するクック氏の孫娘「ニコール・クック・ジョンソン」と共に、ブランディングとコンテンツイニシアチブを通じて、後期エンターテイナーの遺産を維持・拡大し、公式ウェブサイトやソーシャル・メディアのプロフィールでサム・クックのオンラインプレゼンスを確立することに加え、クック・ジョンソンとオースティンは2021年以降、サム・クックの生誕90歳に至るまでの「ブランドメディアプロジェクト」を先導する・・・。

 
下記のように、ALGは「音楽の知的財産 (権)」 及び「文化的遺産管理」と時代を超越した「エンターテイメント・ブランドの表現」を専門とし、サム・クック以外にもブルース・ブラザーズ、イギー・ポップ、マッコイ・タイナー、ジョン・ベルーシ、ビル・ヘイリー、ディーン・マーティンなどのミュージシャンや写真家のミック・ロック、そして世界的な音楽会社であるソニー・ミュージックエンタテインメントをクライアントに持つ米国企業である。
詳細については「ALG Brands」のサイトを参照のこと。)
 


 
[ ALGにおけるサービス業務内容 ]

ALGは音楽の知的財産 (権) 及び文化的遺産管理と時代を超越したエンターテイメント・ブランドの表現を専門とし、映画、テレビ、文学、ドキュメンタリープロジェクト、ブランドコラボレーション、消費者製品などの名前、類似性、その他の知的財産権のライセンスを監督している。また、ロイヤリティ監査の監督や、顧客が管理する資産の売却や管理に関する取引など、アーティストや音楽の知的財産 (権)のニーズに合わせたサービスを提供している。

1)ARTIST ESTATE MANAGEMENT
(アーティスト・エステート・マネジメント)

音楽の知的財産 (権)マネージャーとして、相続人、法律および金融の専門家と緊密に協力して、メディア、コンテンツ、消費財の機会を通じて名前、類似性、その他のIP資産の価値を広げるための取り組みを行う。

2)SOCIAL FAN ENGAGEMENT
(ソーシャル・ファン・エンゲージメント)

Instagram、Twitter、Facebookなどのソーシャルメディアプラットフォームは、コアファンや好奇心旺盛なオブザーバーと直接つながりを持ち、慎重にキュレーションされたメッセージングを使用して熱心な視聴者とのエンゲージメントを生み出すことができることから、生きている伝説やアーティストの知的財産 (権)の公式の声として検証されたアカウントを作成し、利用し、歴史的な洞察を提供し、新しい消費者製品やメディアプロジェクトを展開して行く。

3)IP RIGHTS LICENSING & PROTECTION
(IP権利のライセンスと保護)

高級・特殊アパレル企業、ドキュメンタリーや長編映画制作者、メディアプラットフォーム、大手楽器メーカーなど、世界中のブランドパートナーと協力し、商標が提出され、維持されていることを確認するためにクライアントが任命したIP弁護士と対話し、可能な権利侵害を特定し、さらなる措置を講じるために必要なときにクライアントに助言する。

 
実のところ「Sam Cooke Estate/サム・クック・エステート (estate*)」は従来、「Royalty Firm/ロイヤリティ会社 (LLC*)」によって管理されており、その使命はサム・クックの名前、類似性、ポジティブなイメージを使用して、世界中の新世代のソングライター、歌手、起業家を教育し、刺激することである。そして、ロイヤリティ・ファームは、必要に応じて「ABKCO」と共同で目標達成に努めて来た。

※ estate*は、1.地所、私有地 2.《法律》財産(権)、不動産(権)、遺産 3.〈英〉団地 4.〔人生のある〕時期 5.〔社会的な〕地位 6.生活状態などであるが、上記の場合「サム・クックの知的財産及び文化的遺産」に該当する。LLC*は、「Limited Liability Company」の略で、日本では合同会社がこれに該当する。)

 
つまり、今回の『Sam Cooke official website (公式ウェブサイト)』公開の裏側において、従来のサム・クックに纏わる「各ライセンスの問題」がALGの介入によって一定の目途、ないし整理が順調に行われたとするならば大変喜ばしいことであり、ライセンサー間の利害衝突や遺産問題が良好に解決されて行くならば、来年(2021年)1月22日の「サム・クック生誕90周年」に向けて、今年1年にわたる祝賀とその後の展開に大きな期待が持てるだろう ‼
 


 
【 公式ウェブサイトの「コンテンツ・クオリティー(質と価値)」評価 】
 

 
[ 評価への留意点 ]

80年代までの時期は、音楽専門誌に限らず、多くの雑誌が音楽に関する論考を取り上げる傾向が見られたが、そのような音楽論に対する興味は、何故か、90年代を境として、急速に失われていった(少なくとも、流行らなくなった)。

上記は、作曲家にして批評家の近藤譲氏が小論をまとめた著書『音を投げる』のあとがきで語られた一説であるが、近藤氏が語る「音楽論に対する興味」が失われていった時期は80年代の終わり以降、つまり平成の始まりである。

また、日本の批評家・哲学者で小説家でもある東浩紀氏は、著書『サイバースペースはなぜそう呼ばれるか』などの文章中で、現代を「過視的な時代」と定義している。そこでは想像的なものと象徴的なものがすべて同一の視覚的平面に現れるという。パーソナルコンピューターの所持は今や世代問わず普及し、このような時代精神とその文化的展開についての考察を社会論やサブカルチャー論でも展開し、それらの試みはゼロ年代批評へとつながっていった。

ゼロ年代の批評においては、アーキテクチャ派/コンテンツ派という区分が存在した。「アーキテクチャ派」とは、文化や作品を生み出す外在的な制度やシステムを論じる立場・方法のことであり、「コンテンツ派」とはアーキテクチャから生まれてくる作品を内在的に分析する立場・方法を意味する。興味深いのは、平成の音楽批評で起こった音楽批評の衰退の中心は、現代の「現代音楽」を記述するコンテンツ派の消滅を意味するということである。

コンテンツ派的な音楽論でいえば、80年代のなかばから英米の音楽研究者のあいだで展開された音楽研究に「ニューミュージコロジー」という分野があるが、それらはジェンダー論やポストコロニアル批評などの手法をもちいて伝統的な音楽作品を「読む」ことを実践している。

近年、音楽家にして批評家の菊地成孔氏は、バークリーメソッドを中心とする音楽理論に基づいた論述によってジャズ評論の基盤を再形成しているほか、音楽批評のあり方を拡大し、映画やファッションショーにおける音楽を音楽として批評する方法を模索している。あるいは音楽家・音楽プロデューサー・作曲家・編曲家の冨田恵一氏の著書『ナイトフライ(2014年)』のなかでは、ドナルド・フェイゲンの同名の音楽アルバムに対して録音芸術固有の仕方でもって鑑賞・批評が行われている。

ポスト平成の(現代)音楽批評に求められるのは、現代において取り残された現代の「現代音楽」を、聴覚型のアーキテクチャ論を参照しながら論じるコンテンツ派批評なのかもしれない・・・

 
通常、「良質なコンテンツ(英:High Quality Content)」という場合は、検索サービス企業の米国Google社(Google LLC)によって定義された概念で、インターネットマーケティング(ことSEO対策、リスティング対策)において、読み物やコンテンツとしてクオリティが高いだけでなく、「検索エンジンと相性が良いコンテンツ」のことを指す。

今回、筆者がサム・クック公式ウェブサイトの「コンテンツ・クオリティー(質と価値)評価」に対し、敢えて上記に「評価への留意点」を掲げたのはほかでもなく、単に一般的なインターネット上のコンテンツ・クオリティー基準による評価ではない「全く別のアプローチによる評価」であることを理解頂くためである・・・‼

この項について興味のない方は読み飛ばして頂いて構わない。ただ、音楽を単なる自分の余暇、趣味として深めたいというのではなく、広く人間の文化の中で考えようという意欲のある方には、ぜひ音楽という極めて専門化された対象を、「文化的・社会的所産」というより広い文脈から捉えようという、「音楽学及び芸術・美学的批評哲学と批評理論」」の存在と認識、音楽の聴き方として「ディープ・リスニング」という、「聴覚経験の拡張を図る聴き方」の存在と認識など、これまでとは多少違う角度から「サム・クック」に関心を持って頂ければ幸いである。

但し、それらが「全て」ではない・・・

正しくは、どこまで行ってもそれらは「サム・クックの部分」でしかない。外面的(客観・間客観的)分野・領域からその「部分」を寄せ集めたとしても、「一体性のあるサム・クックの全体(よって全部)」を表すことにはならない。それは、せいぜい「サム・クックの半分以下(四分の一)」、つまり、目に見える外面的な部分を外側から眺めた事象についてのみを語るにとどまる。

そうした前提から今回、サム・クックの中心となる「プラットフォーム(オウンドメディア)」に位置する『Sam Cooke official website(公式ウェブサイト)』及び、その他の「ソーシャル・メディア(アーンドメディア)」を含む『コンテンツ・クオリティー(質と価値)』の評価としては、決定的に従来(各ライセンサーの発信する情報)のメディアと比べて “ 優位性 ” は余り見当たらない

正式に「ALG」が専属エージェンシーとして、「サム・クックの人格権のライセンスの監督や、彼の公式デジタルおよびソーシャル・メディア資産の管理を含む包括的な表現サービスを提供し、多くの人にサム・クックの認識と価値を高めるため、世代を超えたブランディングとコンテンツイニシアチブを通じてクックの遺産を拡大する」と世界に向けて発表し、今後「ブランドメディアプロジェクトを先導する」と宣言した “ 本当の目的 ” にさえ疑義を抱いてしまう

 

詰まる所、サイトデザイン(見栄え)重視なのか、『コンテンツ・クオリティー(質と価値)を評価するための材料』、つまり、サム・クックの認識をより広く深く高め行くための興味深いコンテンツ、現代において再評価に値する歴史的、音楽的な新しいトピックや資料の提示がないため、「評価材料としては不十分」。その上、「バイオグラフィーの誤り」「肝心なディスコグラフィーの欠落」は余りにも嘆かわしいものがある。

とは言え、サム・クックの「ブランドメディアプロジェクト」はスタートしてまだ半年。来年の生誕90周年までと、その後の展開に期待しながら見守って行こうとは考えている・・・。

(つづく)

by JELLYE ISHIDA.



Sam Cooke Official website.
Sam Cooke’s Social media.








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