世界の人口が「100人しかいない村」だとしたら
もし、世界の人口を「100人しかいない村」だとする。
57人がアジア人
21人がヨーロッパ人
14人が南北アメリカ人
8人がアフリカ人
30人が白人
70人が白人以外
6人が「世界の富」の59%を所有しており
その6人はすべて合衆国出身である
1人が「大学教育」を受け
1人が「コンピューター」を持っている
80人は「標準以下の家」に住んでいて
70人は「文字」が読めない
50人は「栄養不良」に苦しめられている・・・。
『目覚めつつある人々』へのメッセージ
現在、もっとも発達した最先端の「文化的エリート」の中の、ごく少数の『目覚めつつある人々』によって、音楽からコンピュータ技術、政治行動からライフスタイル、エコロジカルな感性から市民権運動に至るまで、あらゆる分野で『並外れた創造性』が展開されつつある。
そこへのアクセス、あるいはプラグインを達成するには、それ相応の人間的『内面の発達』と『意識の進化』が求められる。つまり、単なる知識(知覚)や認識、あるいは技術や能力の取得と言った「人間のタイプ(パーソナリティ)」の拡張に焦点があるのではない。それは、『人間の内面的レベル(アイデンティティ)』にある。その「世界空間」に適合した『生存・存在レベルの獲得』にかかっている。
人類の意識レベルは大枠に「第一層の思考(六つのレベル)」から「第二層の思考(二つのレベル)」の計八つの段階(レベル)の展開とその生存・存在(世界観や視点)を語ることが可能である。実は、『第三層の思考(四つのレベル)』をも確認できる。
基本的に私たち人間の心(意識)の成長・発達は、『八つの段階(レベル)』を経て進化して行く。初めの六つのレベルは「第一層の思考」という特徴のある『生存レベル』で、その後、意識に革命的な移行が起こる二つのレベルが「第二層の思考」という『存在レベル』である。
計八つの段階(レベル)すべて、それぞれに相応した『世界空間(生存・存在レベルの世界観)』を示し、思考し、行動する。つまり、人々がある段階(レベル)を中心化している時、その『段階特有の心理』が働いている。感情、動機づけ、倫理・道徳と価値、神経系の活性度レベル、学習システム、信念システム、精神的な健康の概念、精神的な病の状態と対処方法、経営、教育、経済や政治の理論や実践に関する概念や好みなど、すべてその段階(レベル)に適合して思考・行動している。
これらの「世界空間(八つの世界)」の差異によって、人間の関係にも多くの障害のいくつかが生じていることを理解する助けになるだろう。現在のところ、「第二層の思考(意識)」に到達している世界人口は2%以下で、さらに8段階(レベル)への到達者は0.1%に満たない。第二層の意識は今のところ、人類の集合的進化の『最先端』であり、比較的まれなものである。
半世紀近く世界空間をリード(あるいは支配)してきた意識レベルの人々は、世界人口の10%、勢力として15%の『第一層の思考/第六レベルの達成者』である。しかし現在、人類の意識の先端では『第二層の思考(二つのレベル)へと向かって重大な飛躍』を遂げようとしている人が現われている。
この「第二層の意識」とは、階層性と平等性の両方(ランクづけとリンクさせることの両方)を使って、垂直的にも水平的どちらにでも『内面的な発達の全スペクトル』を生き生きと把握し、人々を全包括的に活性化させることに務めることができる。しかし、「第一層の意識レベル(全六レベル)」の人は、どれもそれ自身では他のレベルの人々の存在を十分に認めることができない。
これらの人々は『自分の世界観が正しく最高の視点だと思っている』。
これらの人々は『何事も挑戦を受けると、否定的に反応する』。
脅かされた時は『必ず自らの手段を使って、激しく打ちのめそうとする』。
そうしたことすべては、『第二層の思考』によって変わり始める。なぜなら、「第二層の意識」は、内面的な発達・成長(進化/変容)の段階に十分に気づいており、様々なレベルすべてが果たしている『必要な役割の価値』を認める。第二層の意識とそのアイデンティティに生きる人は、寛容的に存在の全包括的レベルの見地で思考し、単にどれか一つのレベルの思考や見地を特権化して、他のレベルの人々を抑圧し疎外・排除することはない。
さて、ここまでの叙述に対し、戸惑いを感じ理解に苦しむ人もいるかもしれない。こんな面倒な叙述を努力して読む必要と価値がどこにあるのかと放り出す人も中にはいるであろう。投資しないで利潤を得ることがないのは、なんら経済だけの原則ではない。
まったく新しい、「未知の理論の消化」や「思想的・実践的な展望」を得るにも、心理的なコストと理解のための努力と言う投資が必要である。そして、混迷するこの時代の中、途方に暮れかかっている時、あるいは人類(個人)の未来に深い不安と疑問を感じておられるなら、それを勇気と希望に変える力(動機)をこの叙述から得て頂きたい。是非とも理解の労を惜しまないで頂きたい。
そして『目覚めつつある人々』によって常に感じていたい現実・・・。
その眼差しは『今ここにおける世界の様相』に絶えず向けなければならない。
今日における私たちの課題は、歴史や文化の背後に目を向けつつ、『根底に存在するもの』との関連において物事を考察し、「表層的な目に映る事象(浅薄な力)」にばかり集中力を働かせるのではなく、『深層的・根本的な事象に注意力を働かせる』ことが何より求められている。
言い換えれば、「グローバルな世界の表層(文化・知識・技術・情勢など)」を見渡すことは誰もが可能となった今日、それは特別な人間の能力に値するものではなくなった。その代わりに『深層的な事象(根底を流れる文脈・意識のレベル・道徳的成熟度など)を見通す(見極める)能力』が必須となろう。
それらは、個人や集団の「パーソナリティー」と「アイデンティティー」の両面を見据えた能力、つまり、『水平的な成長・発達の幅(トランスレーション)』と『垂直的な成長・発達の深さ(トランスフォーメーション)』の相補的な能力を備え、その視座・視点・視野により世界を観察し、そして多様な世界に反応するといった、『包括的な理解(解釈)と統合的な実践の相互的な展開を継続する能力』と呼ぶべきものである。
その「ヴィジョン」は、『多様性の中の統一性の実現化』を示しており、人類進化の歴史上においては『最も高度な心身の変容を世界的共創造によって目指す、大いなる試み』と言えよう。
今まさに、万物の霊長である人類はかつてない進化への挑戦。いわゆる『自己超越による自己実現を目指すための新たな未来地図と羅針盤(コンパス)』を手にする必要がある・・・。
それらは、『ラディカルで革新的なプラクティス』、『包括的(ホリスティック/全方位的)で統合的な実践(インテグラル・アプローチ)』、『全人的なメタ・パラダイムの変容』と呼ばれるものである。
by 老 子 陽 明
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